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支援者の声

「親子はねやすめの活動を支援することは企業としての大切な役割です」

カシオ計算機株式会社では、農福連携や水源林の保全など多くのボランティア活動に社員参加を奨励されており、親子はねやすめへのボランティア支援もその一つとして行っていただいています。


カシオ計算機株式会社
サステナビリティ推進部社会環境企画室
室長 木村則昭さま

個人ボランティアとして参加した後、企業としての支援を決めました

私が親子はねやすめと関わるようになったきっかけは、事務局長の三澤さんと彼が以前所属していたNPOで知り合ったことです。電子楽器の無償提供支援をしていましたが、その後親子はねやすめでも支援をしてほしいとお願いされて、まずレスパイトケア旅行に社員数名とともに個人ボランティアとして参加してみることにしました。

実際に参加してその意義を肌で感じ取りました。弊社の本業とは直接の関係が薄いとしても、電子辞書や電子楽器など教育関連機器のメーカーであることから、教育支援や次世代育成支援の一環として親子はねやすめの活動をサポートすることにしました。

翌年からは社内ボランティアを募って参加しようと考え、CSRリーダー研修の場に代表の宮地さんをお呼びして、話をしてもらいました。行政の手が行き届かない部分を民間の手で行っていること、それはまだ歩き出したばかりであること、いつかはこれが当たり前の世の中にしたいということ。そんな宮地さんの熱い想いを社員に共有できたのではないかと思います。

私自身、初めてボランティアで参加したときに、医療的ケアの必要なお子さんのご家族を見て考えが変わりました。元々病気や障がいをもつ子どもたちを支援したいという気持ちはありましたが、子どもたちと同じくらいその家族が大変だということに初めて気づいたんです。24時間緊張を強いられる、装置が止まったら生命の危機に晒されるという状況は、普通には考えられないくらい大変です。こういったことを広める役に立ちたい、レスパイトケアを受けられる家族を少しでも増やしたいと思い、企業として親子はねやすめに経済的支援も行うことにしました。これにより、ご家族のためのイベントの実施回数を増やすなど少しは貢献できたのではないかと思っています。

若手社員が自らすすんでリピート参加しています

社内では若手が手伝ってくれるのですが、その彼らが次にまた後輩を連れてくるというように、若手がどんどん活動を広げてくれています。一度参加すると、だいたいリピーターになるんですよ。何か感じるものがあるのでしょう。特に若手社員の役割は、体力勝負であるきょうだい児と思いっきり遊ぶこと。子どもたちに慕われるとやり甲斐を感じるようです。もちろん初回はこちらが引っ張っていかないとなかなか参加しませんが、2回目以降は自主的です。毎年新人を連れてくるという連鎖は途切れさせたくないと思っています。

お酒を酌み交わすことで聞き出せたご家族の本音

参加して印象に残っていることの一つは、お父さんたちとお酒を飲んだことですね。普段仕事終わりに気軽に一杯といったことが難しいお父さんたちなので、私の宿泊部屋にお誘いして飲みはじめると話が止まらないんです。その中で、ご家庭の大変な状況や深刻な話題も出てきたりもしますが、それが本当の姿だとも知るんです。ご家族はある日突然、そういったお子さんの親になる、思いもよらなかったはずです。ただ、それを悲観せずに受け入れている様子が心のうちに残っています。

また、それまでボランティアに対して懐疑的で、「本当の大変さなどわかるはずはない」と思っていたお父さんの意識が、旅行を通じてガラリと変わることもありました。最終日に涙ながら感謝の言葉を述べるご家族の様子にもらい泣きをしたり、そのようなことも心に残っています。

もっとたくさんの企業に支援してほしい意義ある活動です

レスパイト旅行のような活動を広げようとするほど、より多くの人的・経済的支援が必要になります。親子はねやすめでは、医療的ケアを必要とするお子さんだけでなく、きょうだい児向けのイベントにも熱心に取り組んでいますが、その回数が増えるほど運営側の負担が大きくなってしまいます。だからこそ、企業によるボランティアや経済支援の拡充がもっと必要なのですが、弊社のようなスポンサー企業がなかなか増えないことが非常に歯がゆい。こうした支援は大変意義があるのですから、一度でも参加したら、支援したいと思う企業がもっと出てくるはずです。

そのためには、活動の意義をいかに多くの人に伝えていけるかが重要です。知っているか知らないかでは決定的に違いますし、人それぞれにこの活動に対する役割が何かあると思います。現在多くの企業が注目し取り組んでいるSDGs(持続可能な開発目標)で掲げる「誰一人取り残さない」を実現していくためにも、企業として取り組む価値は十分にあると考えています。