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医療従事者の声

「レスパイト旅行に参加した全員が大きな自信を手にします」

医療法人財団はるたか会子ども在宅クリニックあおぞら診療所墨田様は、東京23区を診療エリアとして小児期発症の疾患の子どもと若年成人の方を対象に訪問診療を行っていらっしゃいます。レスパイト旅行に毎年ご同行いただいています看護師・木内昌子さんにお話をうかがいました。

看護師・木内昌子さま
医療法人財団はるたか会
子ども在宅クリニックあおぞら診療所墨田
看護師 木内昌子様

経験上、ごく自然に訪問看護の道を選びました

2012年に子ども在宅クリニックあおぞら診療所墨田に「訪問看護ステーションそら」がオープンし、そこで5年間所長を務めました。今(2019年7月)はあおぞら診療所墨田に所属しながら東京都港区の学校看護師をフォローするチーフナースとして区内の教育委員会や学校を周る日々です。

私は3人の子どもを授かり、2番目の子どもが未熟児で生まれ、NICU(Neonatal Intensive Care Unit:新生児特定集中治療室)で感染して脳症になりました。私自身、障がいを持つ子の親として日常生活で数多くの大変な思いをした経験があり、また看護師として病棟に勤務している時にはいつも施設の中でご家族に対してできることの少なさに苛立ちを感じていました。時折難病のおじいさんの訪問介護をする機会などもありましたが、もっと訪問看護をやりたい、もっとご家族の生活に密着してお役に立ちたいと思っていたところ、本当に望み通りあおぞら診療所墨田で訪問看護の機会に数多く恵まれました。

親子はねやすめは、ご家族と社会の接点を作っています

私が訪問看護の世界に入ってからも医療技術はめざましい進歩を続けています。症状の重い子たちに対し、私は一家族一家族一生懸命に看護して、良い状況になっていくよう努めるしかないと思っています。ただ色々な症状を抱えた子どもたちが増えていく一方で、世間一般の受け入れ体制はまだまだ整っていないと感じることも多いです。世間の人たちは自分たちが見たことも聞いたこともない症状を抱えた人間を目のあたりにした時、怖くて一歩引いてしまう気持ちを持つと思います。でもそのことが重い障がいを抱えたご家族と世間の繋がりを大きく隔てる弊害になっていると考えています。だから「大丈夫だよ」、「怖くないよ」っていう姿勢を私たちがもっと前に出して、「なんだ、この子たち可愛いじゃん」と思ってもらいたいのですが、医療関係者だけではなかなか輪が広がりません。親子はねやすめさんは、そんな人々の間の隔たりを破ることに大変貢献して下さっています。

看護師・木内昌子さま

辛い思いをしている人たちを一人も残さずサポートする活動は本当にありがたいです

どんなご家族にとっても日常生活が安定することが第一です。そして次に大切なことが家の外に出ていくことです。私たちは訪問看護でご家族の日常生活をサポートしていますが、きょうだい児たちは本当に毎日寂しい思いをしています。重い障がいを抱えた子どもを介護する中、ご家族は自由に身動きがとれません。私自身、親としてきょうだい児たちに色々な体験をさせてあげたいと思っていても、させてあげられずに辛い思いをし続けた経験があります。小さい頃から重い障がいを抱えた子を身近に見ているきょうだい児たちは優しい性格になってくるんですが、やっぱりいつも我慢し続けているんですね。そこに積極的に関わって下さる親子はねやすめさんの存在は本当にありがたいです。

看護師・木内昌子さま

温泉を楽しむお子さんが可愛らしくてたまりません

長野県筑北村のレスパイト旅行には5年続けて毎年参加しています。その中で私にとって特に大きなイベントがお子さんの「お風呂入れ」です。例えば人口呼吸器をつけているお子さんの場合、入浴中は絶えず呼吸を補助し続けなければならないなど、お風呂はご家族だけで対応するのはかなり難しい営みなんですね。そこをレスパイト旅行中は私たち看護師が数人がかりで注意深く対応させて頂きます。

また、お子さんがお風呂に入っている時間は親御さんやきょうだい児たちにとっては自由に遊んで頂く時間になります。一方で私たちもしっかりお子さんをお預かりしてがっつりと楽しみます(笑) たくさんのお湯をためたお風呂の中でどの子も本当にいい顔をするんですよ。ぶくぶくとバブルしたお風呂から上がって飲み物を一杯あげるとどのお子さんもお肌がつるんつるんになってとてもゆったりとリラックスした表情を見せてくれるんです。私たちも汗だくになりますけどお子さんたちに混ざってめちゃくちゃ楽しんでいます。

看護師・木内昌子さま

旅行に参加したみんなが大きな自信を手にします

ご家族の方は普段(家から出られない)と思って生活をしているので実際に外出する機会が極端に少ないんですね。レスパイト旅行は出かけるきっかけをつかめない人たちを強引に外へ連れ出します。結果、親御さんもお子さんもきょうだい児たちもみんなたくましくなる。例えば、人に会うたびに泣いていたような子が泣かなくなる、普通の食事でさえ出来なかった子がお野菜を自分で食べるようになる、地方から遊びに来ていたおばあちゃんのお見送りのためにお子さんを羽田空港まで連れて行っちゃう、「私が付いていないとこの子はダメなんです」と頑なに言っていた親御さんが周囲の人たちを信頼するようになるなど。

大げさじゃなくてレスパイト旅行に参加した人たちはみんな変わったと思います。たぶん私たちはまだ子どもたちの力を信じ切っていないんだと思います。筑北村のレスパイト旅行はご家族の方々が自信を持つ大きなきっかけを作って下さっているなぁといつも感謝しています。私もまだまだこれからご協力しますよ。

看護師・木内昌子さま